南信州菓子工房で作っているドライフルーツは、シロップ漬けしたものを乾燥しているので、柔らかい食感と素材の味を生かしながらも凝縮した濃い味が特徴です。 人気商品のレモンや、オレンジや八朔などの種がある果物は、釜でシロップ漬けを終えた後に、果肉を崩さないように一つひとつ人の手で丁寧に取り除いています。 他にも果物のカットや包装・検品など、お客様のご要望に細かい部分までお応えできるように「手作業」にこだわった商品づくりを行っています。

南信州菓子工房では、味は美味しくても少しキズがあったり形が規格外で、市場に出せないまたは一般的に廃棄されることが多い果物を、ドライフルーツの材料として使用しています。 2019年には生産者不足で遊休化していた大分県の農地を利用し、地域特産のレモンの栽培をスタートしました。日々様々な果物の産地に足を運ぶ中で、この先温暖化の影響による集中豪雨や寒波などによる仕入れ数激減の可能性や、農家の方々の高齢化がさらに進むことも予想し、主力商品については契約栽培または自社栽培にシフトするのが賢明だと考えたからです。2021年春にレモンの苗木の定植を開始し、約五年後からは年間300tの収穫を見込んでいます。

ドライフルーツの製造において、果物を煮詰めたシロップが残ってしまいます。私たちは、その果物のエキスが含まれたシロップを有効活用するために、かき氷のシロップや酒の割り材として商品化をしたり、昔ながらの半生ゼリー菓子に新しい魅力を加えた寒天ゼリー「寒天もちシリーズ」を開発するなどして廃棄量削減に取り組んでいます。また、阿南工場では排水処理設備を導入し、糖液を分解・浄化し、処理工程で生成するメタンガスを工場の燃料として再利用しています。売上が急速に拡大するに伴い、本社工場でも2022年9月からバイオガス発電設備を稼働し始め、産業廃棄物処理コストやCO2排出量の削減を図っています。